energy note

色々と勉強中なので備忘録として。

中華スイッチング電源の分解&修理?

energy-note.hatenablog.com
以前このような記事を書きましたが、 S-24-25とスペックの違う同機種?で似たような症状が出ている方がいて、電源の電解コンデンサがイマイチだという話が。
前回の記事でスペックを満たさなかった「半固定抵抗機種」の交流側入力電解コンデンサを試しに基板から外して測定してみるとこんな感じ。
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表示容量33µFに対して31.68µF、ESRは2.3Ω。
どうもこの「Dongbaohe」ってメーカーは悪評がありそうな感じ。
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このチョークコイル裏のジャンパはなんだ??出力フィルタ用のコイルもただショートされているだけ。
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「固定抵抗機種」に至ってはXコンデンサチョークコイルも省かれているがなw(トランスのラベル消しは一体・・・)

話を戻して、出力側コイル未使用は1万歩譲ってわかるとして、なぜチョークコイルの片側だけジャンパするんだ??何か不都合でもあるのだろうか。片側だけにすると何らかの力が働いてノイズが減るのだろうか。
チョークコイルを外してみると
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・・・おわかりいただけただろうか?なぜ線が足に接続されていない??というかハンダ痕無くないですか???まじで謎。
そして対応もどうせコイルだからジャンパするか、という安易な考えがすごい。
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もちろん導通はとれていません。
とりあえず、電解コンデンサの交換をしてみる。廃基板から450V耐圧の電解コンデンサをチョイス。
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スペックはこんな感じで、とりあえず交換してみました。
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ケースにはとても収まらないのですが今は良しとします。電子負荷装置に接続して確認したデータがこちらです。


電流[A] 半固定抵抗機種
(前回測定値)
電圧[V]
半固定抵抗機種
電解コンデンサ取替後
電圧[V]
0.0(無負荷) 24.40 24.53
0.2 24.40 24.52
0.4 24.40 24.51
0.6 24.39 24.50
0.8 24.38 24.49
0.9 22.00 24.48
1.0 19.01 22.05→24.27
1.1 Nodata 19.4→20.00
1.2 10上下 15.9

大きな改善が見られました!特に定格の1.0[A]の状況が改善されたのはうれしい!
前回とちょっと測定環境が変わり、電源と電子負荷をつなぐ導線が少し細くなりましたが、改善されていると見てよいかと思います。
1.0[A]時と1.1[A]の値は時間が経つにつれて電圧値が上昇していくという挙動を見せたので「→」にしていますが、これは正常な動作なのか・・・?
とりあえず、スペックを満たす電源となりましたが、色々と疑問の残る激安中華スイッチング電源でした。
今回は近い容量の耐圧の大きい電解コンデンサが見当たらなかったので容量が約5倍あり一応動いていますが、同様な修繕で直る保証は無いので参考にされる場合には注意してください。
今回はここまでにして追加検証は気が向いたらしたいと思います。突入電流用のNTCサーミスタは検討しようかな。
(今後Aliexpress等で激安中華スイッチング電源を購入するときはスペックを満たさない前提で動いた方がよい、と改めて勉強になりました)

それから・・・
取り外した電解コンデンサですが、何かないかとパッケージを剥がしてみました。
すると・・・
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んー!!w恐らく、前のパッケージを剥がしたのでは?と思われるカッター痕を発見しました。
左写真が今回私が剥がすためについたカッター痕、右写真が恐らく業者が切ったであろうカッター痕です。防爆弁って横にはつかないですよね・・・?
リマーク品なのでしょうか・・・基板からしてもう信用はありませんが、さらに信用が落ちそうなところですね。
「Dongbaohe」には注意したほうが良いのかもしれませんね。
それほど中古部品かき集めたりコスト削減しないと激安価格は出せないんだろうなぁ。