energy note

色々と勉強中なので備忘録として。

BQ25570モジュールを試してみた①

最近、IoT関連の話題が薄くなっている気がするのは気のせいでしょうか・・・?IoTに関わる仕事は現時点ではほぼしていませんが、前ほど話を聞かなくなりましたね。裏側ではいろいろと面白そうな技術が出てきているようですが。
今、小電流電子負荷装置を作っていますが、微生物燃料電池エナジーハーベスティングなど小さな電源の測定をしたいと思ったからで、そんな小電力を使いやすい形にするのは結構大変です。
energy-note.hatenablog.com
IoTやマイコンなどで活用するには安定的に5Vや3.3Vが供給できた方が便利で、仮に短時間の供給であっても昇圧と蓄電は必須です。
電圧が小さいか、電流が小さいか、どちらも結構面倒で専用のDCDCコンバータICやモジュールが販売されています。

トラ技SPECIALのサスティナブル・マイクロワット回路の研究・トラ技の永久ミニ電源×マイクロワット作戦の特集に載っていた他のICも気になりますが、今は微生物燃料電池や環境発電からエネルギーを取りまくりたい欲があるので、低電圧・昇圧に絞って探しました。AliexpressでBQ25504BQ25570のモジュールを見つけてしまったので、衝動買いして実験してみました。
2枚で送料込み約3000円だったので今後はコストも気にして実験してきたいと思いまs・・・

先にBQ25570を使用してみました。詳細はググるこちらをご覧ください。
0.6Vから始動できて、始動後は0.1Vまでの低下に耐え、あらゆるバッテリーの充電に対応しているMPPT対応の昇圧コンバータIC、と要約できますかね・・・?低消費電力で疑似的ではありますがMPPTが使えるというところに面白みを感じます。
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基板上は「CJMCU-2557」の表記がありますが、詳細の回路図などは見つかりませんでした・・・多分、データシート記載の標準的な回路かと思われます。
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太陽電池などの電源を接続し、「EN」(データシート上はバーENになってますが、基板の表記に従います)端子をGNDに落とすと作動します。この段階だと、スーパーキャパシタへ充電する動作をしました。0.22Fのスーパーキャパシタが付いているので、容量の小さな電源だと充電に結構な時間がかかるかと思います。
MPPT動作については、スーパーキャパシタに1.8V以上充電されたら開始し、16秒に一度電流値がほぼ0になるので、その時に開放電圧を見て、その80%(初期設定値)になるように電流値を調整しているようですね。
「V_EN」端子に1、VBATに接続するとOUTPUTから設定した電圧が出てきます。何も触らない初期状態だと2.5Vが出力されました。


しかし、80%は結構高めに設定されていますね・・・太陽電池のFFが80%になるってなんだ?まぁ調整が効くのでそこで調整してくれ、ということでしょうか。
太陽電池とかなら応答が早いので大丈夫そうですが、微生物燃料電池の場合、負荷を切り離して開放状態の電圧が、電池の出せる最大値に戻るまでに結構時間がかかります。そのため、本モジュールを使って50%に設定したところでMPPは発見できないのでは?電圧が戻らないまま80%とか50%とかに調整されるならどんどん電圧が下がるのでは?と考えました。
ネット見ても、論文を探してみても、微生物燃料電池とBQ25570を組み合わせている例は少なかったです。一応あるのはセンサーネットワーク的なやつかIoTの電源的な感じですね。どれもエネルギーを搾り取ってやる!って感じではなく、電源として使えれば便利、という感じかと思っています。
まぁ普通に考えりゃこんな小さな電力集めてどうすんだって話で、コスト的にもいろいろと合わないからやる人もいないんでしょう。たぶん。
趣味でやる分にはとりあえずコストは置いといて面白みを感じているので実験します。微生物燃料電池をつなげたいのですが、電池の状態が整っていないのでまずはテスト。電池を模擬?して電源側に容量の大きな電解コンデンサを付けて挙動を見てみました。
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コンデンサをつなげる前は0.8Vの80%、約0.64~0.60Vを行き来していました。ちゃんとスーパーキャパシタへの充電もできているようでした。
470uFを1個つなげると0.55~0.45Vで推移し、2個つなげると0.40Vを切るくらいまで低下しました。電圧を上げても似たような推移で動作することを確認しました。ちょうど半分くらいになっているからこれでよさげなのかな?w
疑似的なMPPTなのでMPPを追っかけられないのは仕方ないにしても、最大電力を搾り取るにはちょっと能力不足なところがありそうですかね?
省電力PICとかで専用のコンバータ組めないかなぁ。絞り出せる電力量を見極めて検討してみたい欲が出ました。

今回はこれまで。
使ってみて、疑似的にもMPPTが使えるのはよかったですね。やはり太陽電池で使うのが便利かなぁ?
次はデータロガーを接続して微生物燃料電池でどういう動作ができるか実験できれば面白そうと考えています。

おまけ
LTC3108
www.analog.com
面白いのが0.02Vから昇圧が可能なLTC3108(モジュールがStrawberry Linuxさんで販売されている)。出力電流は全然取れませんが0.1Vを切る電源から3.3Vとか取れるのは見ていて面白いです。
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自作した微生物燃料電池は少しでも電流を引くと電圧が低下してしまうので、LTC3108が使えるとかなり低電圧になるまで対応できるので使い方次第では面白そうです。