ESP32でつまづいたこと
M5Stackに始まり、ESP32沼に落ちてしまいそうな感じになってきました。
サイズ、機能、値段、良すぎる。数百円で、しかも開発ボードも2000円しないという・・・
実験で使うロガー兼制御器みたいのをESP32で作っていまして、その過程でつまづいて参考になったサイト等をまとめたいと思います。
低レベルかもしれませんが、もしかしたら同じようになっている人がいるかもしれないのでまとめてみました
<作っていたもの>
ある入力値に対して処理をし、その処理値に応じていくつかの値を返す。
その入力値や処理値、回路の部分的な電圧電流などを定期的に測定し、まとめてSDカードに記録する。
1.void loop() { } の中にLCD(I2C)の表示させる部分書いてたらマルチタスクで定期処理を実行してた別タスクの記録時間が狂う
マルチタスクで500ms毎に入力値や電圧電流値を読んで、LCDに表示しつつデータが溜まったらSDカードに保存する、という処理を入れてたらどうもたまに500msじゃないタイミングで計測している部分があり、原因を色々探りましたが結果わかりませんでした・・・
I2CのLCD表示器を使っていたので、I2C通信タイプのセンサー類とタイミングが重なってしまって計測部が排除されたのではと考えてはいます。
それに計測のタイミングと表示するタイミングは違うので、一緒のタイミングで処理することができませんでした。
そこで妥協してLCDの表示タイミングをいじって、LCDに表示するコードをセンサーの計測と同じループ内に持っていって解決はできました。
モヤモヤしますが勉強が必要だと感じました。
(測定間隔の500msは設定で変更できるようにしたので、表示部はvoid loop() に入れてしました)
2.割り込みで計算やI2Cが使えない
勉強不足でした。割り込みで飛ぶ関数の中にI2Cやその測定してきた値を計算するコードなどを入れていたらパニックになったとのエラーで再起動。
ググりにググってこちらのサイトを参考にさせていただきました。
lang-ship.com
割り込み処理では複雑な処理ができないとのことで、フラグを立てたりして別でその処理をしなければならないと。
割り込み処理で呼び出すタスクも2個(測定用・数値処理用)並べて対応しました・・・
xTaskCreateUniversal(task1,"task1",8192,NULL,3,&taskHandle,APP_CPU_NUM); xTaskCreateUniversal(task2,"task2",8192,NULL,3,&taskHandle2,PRO_CPU_NUM);
変数への代入や簡単?な関数の呼び出しなら割り込みの関数内で動きました。
3.I2Cが使えない(マルチタスク)
時がありました。色々追っかけていると、
www.mgo-tec.com
core 1 でないと動かせないようですね。
たなかまさゆき様、mgo-tec様、参考にさせていただきました。感謝申し上げます。
非常に助かりました・・・ありがとうございます・・・
自己啓発か何かで「ドリルを買う人が欲しいのは穴」的なやつ、電子工作勢にはドリルが欲しかったり、はたまたドリルを分解したり作りたかったりする方もいらっしゃると思いますが、自分もESP32でそちらに行ってしまいそうです。
しかし。現状、欲しいのが「穴」の方なので、ドリルの構造やモーターの細部まで勉強しているわけではなく・・・
早くドリルの機能を余すことなく使う、ドリルをカスタマイズできる、くらいまでになりたいものです。
太陽電池でのMPPTの動作について考えてみる
energy-note.hatenablog.com
上記の構想から1年、いつになったら自宅のエネルギー自給率が上がるのか・・・
太陽電池からの充電の実験は少しづつ進めていたもののうまくいっておらず。
今回少しづつ進めていくためにも色々と整理していきたいと思います。
1.太陽電池の特性
太陽電池から充電もしくは電力を取り出す場合、きちんとその能力を発揮できていない場合があります。
また、太陽電池は日射量、温度、影、劣化、などで特性が大きく変化します。
これがIVカーブとかIV特性とか呼ばれるグラフで、横軸が電圧、縦軸が電流です。
電圧が0V時、つまり短絡したときの電流が「短絡電流Isc」と呼ばれる特性値で、電流が0A時、つまり開回路時の電圧を「開放電圧Voc」と呼ばれます。
太陽電池に負荷を接続して電流を取っていくと低電流時は何も接続しないときの電圧を比較的保てますが、ある点からはストンと落ちます。
これが太陽電池の等価回路です。電流源とダイオードと直列・並列抵抗から構成されています。
実際の太陽電池はこれが沢山直列接続されていて太陽電池モジュールを構成し、回路によっては並列になったりします。
(回路図中の値は実際の太陽電池を模擬した値ではなく、それっぽい値を入れてあるだけです!)
R11の抵抗値を変化させて負荷電流を変化させると、右図のようなグラフが得られます。青線がI-Vカーブ、オレンジ線がP-Vカーブです。
PVカーブからわかるように電力の頂点(最大点)が「最大電力点Pmax」と呼ばれます。太陽電池の取り出せる最大電力ですので、スペックに書いてあるワット数はこの値になります。
R11 [Ω] | V [mV] | A [mA] | P [mW] |
---|---|---|---|
0.5 | 499.94 | 999.88 | 499.88 |
2 | 1999.16 | 999.58 | 1998.32 |
3 | 2997.39 | 999.13 | 2994.78 |
3.5 | 3464.96 | 989.99 | 3430.28 |
3.75 | 3627.14 | 967.24 | 3508.31 |
3.85 | 3673.07 | 954.04 | 3504.26 |
4 | 3727.08 | 931.77 | 3472.78 |
4.25 | 3790.98 | 892 | 3381.55 |
10 | 4060.77 | 406.08 | 1649.00 |
40 | 4144.31 | 103.61 | 429.39 |
※いくつか数値を省きました
このグラフだとおよそ3.5Wが最大で取り出せる電力になります。
しかし、1.2Vのニカド電池などを接続した場合、太陽電池の出力電圧もほぼ近い値に低下するため、グラフから読むと約1.2Wしか取り出せないことになります。
2.MPPT(Maximum power point tracking)動作について
光が十分に当たっている場合、出力電圧の70~80%が最大電力点付近([曲線因子][検索])になるため、簡易MPPT手法として70%固定というのもあるようです。
しかし温度や日射量、影や不具合でその最適値は変動しますし、先ほどのように直射日光に当てたら3.5W取り出せるはずが1.2Vの電池をつないだまでに1.2Wしか取れないということでは面白くありません。
そこで間に昇圧もしくは降圧のDCDCコンバータを入れて、太陽電池から最大の電力が取り出せるよう負荷に流す電流などを調整します。
太陽電池からの電流を制御して目的の電圧に持っていければ、取り出せるエネルギーを最大にできるという形です。
Solar → DCDC(MPPT) → 負荷(蓄電池?)
・・・んー。原理的にわかっていてもいまいちピンと来なかったので、実際にLTspiceでシミュレーションしてみました。
3.MPPT回路シミュレーション
※本回路は原理を理解するために簡易的に組んだもので、素子の値や型番などはある程度動く形で収めたため最適な状況ではありません
簡単な昇圧回路を組み、MOSFETのゲートにPWM信号を入れてみます。電圧源のFunctionsのPULSEで出力します。
負荷を抵抗にした場合、動作としては単純にPWMのデューティー比を上げていくと出力電圧が上昇するので、出力電力は増えていきます。太陽電池の最大電力付近で出力が低下していく形です。
Ton[ms] | Vin [mV] | Vout [V] | Iout [mA] | Pout [mW] |
---|---|---|---|---|
0.08 | 4.20 | 17.48 | 87.20 | 1524.256 |
0.1 | 4.13 | 20.88 | 104.23 | 2176.3224 |
0.12 | 4.00 | 23.88 | 119.55 | 2854.854 |
0.14 | 3.39 | 25.66 | 128.05 | 3285.763 |
0.15 | 3.26 | 24.98 | 124.80 | 3117.504 |
※Tperiod = 0.2ms R13=200Ω
もっと細かくデューティー比をいじると最大電力点がわかりそう&損失で低くなっている感じかと思います。
次に蓄電池などを接続した場合の挙動を模擬してみました。(おそらく電圧源で当たっていると思います・・・)
この場合もデューティー比が上がるにつれて充電電流も大きくなりますが、太陽電池側の電力値はピーク値を超えるとやはり低下していきます。
Ton [ms] | Vin [V] | Iin [mA] | Pin [W] | Iout [mA] |
---|---|---|---|---|
0.09 | 3.90 | 540 | 2.11 | 230 |
0.10 | 3.85 | 600 | 2.31 | 280 |
0.11 | 3.76 | 750 | 2.82 | 300 |
0.12 | 3.62 | 902 | 3.27 | 340 |
0.13 | 3.45 | 960 | 3.31 | 350 |
0.14 | 3.16 | 997 | 3.15 | 340 |
0.15 | 2.80 | 997 | 2.79 | 310 |
※Tperiod = 0.2ms
回路についてはある程度理解が出来てきた気がします・・・!この回路に入力側(太陽電池側)の電力値を読んで最大となる電力点を追従するアルゴリズムをマイコンに搭載すればよい形となります!
最終的にはESP32で組みたいところですが、実験機はPICを考えています。負荷を接続する場合には定電流や定電圧制御を加える形でしょうか。
まずは12Vもしくは24V蓄電池に充電することを目指して回路を組んでみたいと思います。
微生物燃料電池や温度差発電、超小型風力発電でも使えるようにしたいと考えていて、太陽電池と違って応答速度や特性が全然違うのでMPPTのパラメータやアルゴリズムについて検証できるよう、実験機的な要素も含めて考えてみます。
<参考>
www.homemade-circuits.com
www.instructables.com
海外には同じ考えで作っている人が結構いるんですね・・・しかも使いたいESP32・・・
平地研究室技術メモ
DC/DCコンバータ回路設計ガイド(1/7) | 電源ICのトレックス・セミコンダクター(TOREX)
RD6012Pを使ってみた
意図せずまたまた電源ネタになってしまいました。
先日購入していたRD6012Pですが、ぐぐってみると結構利用している人は少ない?英語も日本語の記事もあまりないんですね。
コロナの10万円給付の時にRIGOLの直流電源を買おうと企んでいて、多機能だったのでめちゃくちゃ欲しかったのですが悩みまくった結果購入は断念していました。(やっぱりオタクにお金渡すと経済回ると思うからどんどん給付してくれ)
何かでAliexpressでRDシリーズを知って、60V12Aの比較的ハイパワーさでUSB通信もできて2万円前後という値段に惚れ。
しかも、5桁表示の1mV、100µA表示&設定ができるとのRD6012Pを購入することにしました。さらに大電流が流せるRD6018やRD6024で5桁表示だとよかったのですが。
為替レート(?)やキャンペーン等で値段は異なると思いますが、本体・電源・ケースすべて購入しても2万円~3万円くらいの値幅だと思います。
(Wi-Fi通信が出来るモジュール付きのRD6012P-Wはおそらく技適が通ってないと思われるので注意が必要かと)
ja.aliexpress.com
RIGOLみたいに出力波形が選べたり機能面、色々な精度等は落ちると思いますがこの値段でこの性能はそうそう買えないかと思います。
中身も特に商品ページの写真と変わりはないですが、シンプルな構造で電源、RD6012P本体にもファンが付いていて、動作は発熱に連動しているようですね。
電源も本体もしっかりした作りになっています。
操作感は結構直感的にわかるので個人的にはなかなか使いやすいかと思っています。
グラフ表示もあり、何かと便利に使えそう。
手持ちの負荷で大電力を消費できるのが用意できなかったのでこのくらいの出力ですが、電圧値も電流も全然問題ないです。
「Update Rate」を「High」にすると指令値変更後の応答速度が速くなり、電圧指令値を急変させた場合でも高速に追従してくれました。
低電圧→高電圧の挙動も良いかと思っています。
リップルもスペック通り20mV程度に収まっていて、負荷をつなげてもそこまで大きくぶれている様子はありません。
Aliexpressで購入した製品で上位くらいの良い買い物だったかと。
あと、ケースが歪んでいるのがわかるかと思いますが、色々ありました。セラーの問題では無く、色々ありました。
(Aliexpress商品紹介ページより)
「この商品を購入しないでください」などと商品ページに怖い文章を書くくらいなので大丈夫かと心配でしたが、セラーとやり取りしたところ拍子抜けするくらい丁寧な対応をしていただき現在に至る、というところです。
まったくどのような配達業者なのでしょうかね。商品をボールか何かと勘違いしているのか、何か意図的に力を加えた?と疑うほどの・・・ゲフンゲフン
値段相応と思えば使えなくはないのでまぁ良いでしょう。
一応、PCなどとつなげて操作できるという機能も欲しくて買ったので、試してみたところ普通に便利ですこれ。
表示されてるグラフを右クリックすると計測データをxlsxファイル出力できるし。
リニアに出力させる機能や、区画数に制限はあるものの指定した値でのプログラム出力も可能です。使いこなせたら割と便利かもしれません。
電子工作初心者からある程度の上級者の方までの需要は満たせるのではないか?と個人的には思っています。
rdtech.ja.aliexpress.com
セラーのページでほかにも色々取り扱っていて、カラフルでゲーミング仕様な雰囲気ですが、なかなか面白そうですね。今後の商品に期待です。(中国はゲーミング仕様がお好き?)
この記事書いている段階でドル円が130円に達してしまいました。今後このようなお買い物にも影響が出てくるのでしょうか・・・
マルチ出力スイッチング電源(激安中華)分解ネタ
特に電源に詳しくもなく、興味があるわけではないのに・・・立て続けに電源ネタを投稿することになるとは。
まぁいい経験&備忘録になるかな。
水耕栽培機材の電源周りを整備してて、無負荷でも部分的に発熱してて気になってたので、電解コンデンサネタもあったことから分解しました。
よく見る簡素な構成です。しかしこの電源、5V8A・12V7A・24V5Aが取り出せるマルチ出力電源でして、5Vはラズパイやセンサー類、12Vはファンや制御系、24VはLEDランプ用、と非常に使い勝手良い電源なんですよ。
しかし熱が気になるところ。ヒートシンクではなく、ケースの一部が熱くなります。
とりあえず、電解コンデンサは例の「Dongbaohe」ではありませんでしたw(良かった
電解コンデンサを測定してみると高いESRでもないし容量抜けも無さそうですし、コンデンサは特に気にならなさそう。
発熱の原因を探ってみると、この負荷にぶら下がっている抵抗が発熱していることが発覚。120℃前後の発熱を確認。
なぜわざわざ負荷に抵抗を接続してエネルギー消費する意味があるんだろう・・・ましてや100℃超えの120℃・・・
調べてもわからず、とりあえず「スイッチング電源設計基礎技術(前坂氏・町野氏著)」をポチってしまう。
色々単語変えてぐぐってたところ、まさかの一致するような解説を発見!
https://www.cosel.co.jp/technical/qanda/a0004.html
メイン出力の負荷電流が減少した場合、各巻き線に発生する電圧が低下します。従いまして、3端子レギュレータ等への入力電圧が不足し、結果、出力電圧が低下しますので、最低電流が必要となります。
最低電流が不足する場合には、ブリーダ抵抗等により、出力電流値を確保して下さい。
(COSEL社Q&Aページより引用)
なるほど?ようは少しは電流流してないと電圧が保てませんよ、と?回路図とほぼ同様な構成であったので、このブリーダ抵抗に相当する部品でしょう。
(中華電源にはもちろん3端子レギュレータや電圧を監視しているような回路はありませんでしたが)
しかし、常時通電している電源で常に120℃の発熱部があるのは怖すぎるし電解コンデンサにあまりにも近接していて寿命にも大きな影響を与えそうだし。勝手に抵抗値をいじって上げてみるのも手でしょうか?
現状は秋月の100円の小型ファンで冷却して使っていますが。
この電源、電圧がふらついたり色々と疑問点もあったので、負荷をかけて電圧がどのように変化するか見てみました。
5V出力 負荷電流[A] |
5V側電圧[V] 電子負荷画面上 |
12V側電圧[V] テスター測定値 |
24V側電圧[V] テスター測定値 |
---|---|---|---|
0.0(無負荷) | 5.33 | 12.31 | 25.45 |
1.0 | 5.27 | 12.92 | 26.93 |
2.0 | 5.21 | 13.40 | 28.10 |
3.0 | 5.15 | 13.81 | 29.08 |
4.0 | 5.09 | 14.14 | 29.94 |
5.0 | 5.04 | 14.48 | 30.71 |
6.0 | 4.95 | 15.11 | 32.30 |
7.0 | 4.89 | 15.33 | 32.89 |
なんということでしょう。
12V出力 負荷電流[A] |
12V側電圧[V] 電子負荷画面上 |
5V側電圧[V] テスター測定値 |
24V側電圧[V] テスター測定値 |
---|---|---|---|
0.0(無負荷) | 12.31 | 5.33 | 25.45 |
1.0 | 11.74 | 5.33 | 25.49 |
2.0 | 11.57 | 5.33 | 25.91 |
3.0 | 11.43 | 5.32 | 26.51 |
4.0 | 11.28 | 5.32 | 27.38 |
5.0 | 11.17 | 5.32 | 28.49 |
6.0 | 11.04 | 5.32 | 29.63 |
なんということでしょう。
24V出力 負荷電流[A] |
24V側電圧[V] 電子負荷画面上 |
5V側電圧[V] テスター測定値 |
12V側電圧[V] テスター測定値 |
---|---|---|---|
0.0(無負荷) | 25.45 | 5.33 | 12.31 |
0.5 | 24.37 | 5.33 | 12.34 |
1.0 | 23.80 | 5.32 | 12.43 |
1.5 | 23.30 | 5.32 | 12.54 |
2.0 | 22.76 | 5.32 | 12.73 |
2.5 | 22.14 | 5.32 | 12.98 |
3.0 | 21.53 | 5.32 | 13.39 |
3.5 | 20.92 | 5.31 | 13.82 |
4.0 | 20.16 | 5.31 | 14.24 |
4.5 | 19.52 | 5.31 | 14.70 |
なんということでしょう。
5V出力部以外全然スペックを満たす気がありませんね・・・
特に5Vに負荷をかけたときの数値がひどい。24V→32Vってなんすか。
電圧が上がった分負荷がつながると電圧が下がるからOK的な?ww電子負荷1台しかないのでこの辺のチェックが難しい。
24Vの負荷をかけたときなんて自身が20Vを下回るという。
(自分が知らないだけでこれがマルチ出力タイプの特性なんでしょうか?)
回路を追いかけると5V部に電圧調整のフィードバック回路?が接続されているようなので、この辺の改造や調整が必要そうですね・・・
たまにラズパイに「Low voltage」の表示がでたりしましたが、電源側ではなくて他の部分に原因がありそうですね。
もうまとめると「中華激安スイッチング電源はスペック通りに出力されるのはラッキーで、基本的にスペックを満たさないので、特にマルチ電源なんか買わずにそれぞれの電源を用意しましょう。しかもそのそれぞれの電源もカスタマイズが必要な可能性大で部品も用意しなければなりません。また、できればオーバースペック気味の電源を購入しましょう。」でいいでしょうか?
大富豪になったら、日本製の高性能スイッチング電源で電子工作するんだ・・・
こんな記事も発見しました。
www.analog.com
中華スイッチング電源の分解&修理?
energy-note.hatenablog.com
以前このような記事を書きましたが、 S-24-25とスペックの違う同機種?で似たような症状が出ている方がいて、電源の電解コンデンサがイマイチだという話が。
前回の記事でスペックを満たさなかった「半固定抵抗機種」の交流側入力電解コンデンサを試しに基板から外して測定してみるとこんな感じ。
表示容量33µFに対して31.68µF、ESRは2.3Ω。
どうもこの「Dongbaohe」ってメーカーは悪評がありそうな感じ。
このチョークコイル裏のジャンパはなんだ??出力フィルタ用のコイルもただショートされているだけ。
「固定抵抗機種」に至ってはXコンデンサもチョークコイルも省かれているがなw(トランスのラベル消しは一体・・・)
話を戻して、出力側コイル未使用は1万歩譲ってわかるとして、なぜチョークコイルの片側だけジャンパするんだ??何か不都合でもあるのだろうか。片側だけにすると何らかの力が働いてノイズが減るのだろうか。
チョークコイルを外してみると
・・・おわかりいただけただろうか?なぜ線が足に接続されていない??というかハンダ痕無くないですか???まじで謎。
そして対応もどうせコイルだからジャンパするか、という安易な考えがすごい。
もちろん導通はとれていません。
とりあえず、電解コンデンサの交換をしてみる。廃基板から450V耐圧の電解コンデンサをチョイス。
スペックはこんな感じで、とりあえず交換してみました。
ケースにはとても収まらないのですが今は良しとします。電子負荷装置に接続して確認したデータがこちらです。
電流[A] | 半固定抵抗機種 (前回測定値) 電圧[V] |
半固定抵抗機種 電解コンデンサ取替後 電圧[V] |
---|---|---|
0.0(無負荷) | 24.40 | 24.53 |
0.2 | 24.40 | 24.52 |
0.4 | 24.40 | 24.51 |
0.6 | 24.39 | 24.50 |
0.8 | 24.38 | 24.49 |
0.9 | 22.00 | 24.48 |
1.0 | 19.01 | 22.05→24.27 |
1.1 | Nodata | 19.4→20.00 |
1.2 | 10上下 | 15.9 |
大きな改善が見られました!特に定格の1.0[A]の状況が改善されたのはうれしい!
前回とちょっと測定環境が変わり、電源と電子負荷をつなぐ導線が少し細くなりましたが、改善されていると見てよいかと思います。
1.0[A]時と1.1[A]の値は時間が経つにつれて電圧値が上昇していくという挙動を見せたので「→」にしていますが、これは正常な動作なのか・・・?
とりあえず、スペックを満たす電源となりましたが、色々と疑問の残る激安中華スイッチング電源でした。
今回は近い容量の耐圧の大きい電解コンデンサが見当たらなかったので容量が約5倍あり一応動いていますが、同様な修繕で直る保証は無いので参考にされる場合には注意してください。
今回はここまでにして追加検証は気が向いたらしたいと思います。突入電流用のNTCサーミスタは検討しようかな。
(今後Aliexpress等で激安中華スイッチング電源を購入するときはスペックを満たさない前提で動いた方がよい、と改めて勉強になりました)
それから・・・
取り外した電解コンデンサですが、何かないかとパッケージを剥がしてみました。
すると・・・
んー!!w恐らく、前のパッケージを剥がしたのでは?と思われるカッター痕を発見しました。
左写真が今回私が剥がすためについたカッター痕、右写真が恐らく業者が切ったであろうカッター痕です。防爆弁って横にはつかないですよね・・・?
リマーク品なのでしょうか・・・基板からしてもう信用はありませんが、さらに信用が落ちそうなところですね。
「Dongbaohe」には注意したほうが良いのかもしれませんね。
それほど中古部品かき集めたりコスト削減しないと激安価格は出せないんだろうなぁ。
S-24-25の簡易性能チェック(同型番なのに違うスイッチング電源?)
多忙により久しぶりの投稿となります。
その間にあるところから同型番の中華小型スイッチング電源を2個購入していまして。
これが結構安くてですね。LED周りなどで使えるかと思い。何の疑いもなく商品を開封してみるとこちら。
お分かりいただけただろうか・・・型番は同じなのに中身が全然違う・・・
1.ADJが固定抵抗
2.端子台カバーがない
3.回路構成が違う(写真ではわかりませんが)
などなど・・・違いがありすぎる・・・
ADJが固定抵抗のやつなんか、内部の素子が浮いていて、アルミケースに接触されていないので熱対策がされていないっぽいし・・・どの部品もケースに接触はしていないようです・・・
S-25-24でぐぐったら類似品みたいのが出てきたので、その類なんでしょう。
しかし見た目で判断するのは良くないですし、ちゃんと24Vの1Aというスペック通り動作するのであればまぁある程度は許容しよう、ということでちょっとした性能チェックをしました。
まず、無負荷状態の電圧です。これはADJが半固定抵抗のやつは調整できるのでいいとして、固定されているやつが重要ですね。
その後、段階的に負荷をつなげていきます。これは電子負荷をつなげて段階的に流す電流値を変化させました。電圧は電子負荷で計測された値を示します。
同じ型式なので、固定抵抗機種と半固定抵抗機種と区別しましたw
電流[A] | 固定抵抗機種 電圧[V] |
半固定抵抗機種 電圧[V] |
---|---|---|
0.0(無負荷) | 23.74 | 24.40 |
0.2 | 23.74 | 24.40 |
0.4 | 23.73 | 24.40 |
0.6 | 23.72 | 24.39 |
0.8 | 23.71 | 24.38 |
0.9 | 23.71 | 22.00 |
1.0 | 23.70 | 19.01 |
1.2 | 1.12Aで停止 | 10上下 |
測定の結果、なんともひどい結果となりました。
固定抵抗機種は無負荷時の電圧をスペック通りの1Aを流すまでほぼ維持できており、かつ1.12Aになると保護回路だと思われますが、出力が停止(電子負荷装置接続時では運転・停止を繰り返す)します。
S-24-25で検索すると出力電流が1.1Aとあるサイトもあったので、これは性能として合格でしょうか??
内部の温度までは見れませんが、そこまで発熱もしている様子はなく、順調に稼働していました。
問題は半固定抵抗機種の方っすね。スペックを満たしていません。
0.89Aほどから急激に電圧が低下し始めて、1Aではもう20Vを維持できていません。1Aって書いてあるやろがい!
どんどん電流を引いてみると、1.2Aでも停止することなく、ただ電圧が下がっていくだけでした。
こちらは内部の素子がケースに結合されていて熱対策がされているのですが、ほんのり暖かくなります。無負荷でも少し熱を持っていましたね。
1.0Aの状態でADJの半固定抵抗を回してみても出力電圧が上がることはありませんでした。無負荷状態では電圧が調整できることを確認しています。
結果、一番怪しかった固定抵抗・熱対策なしのやつがまともに動いたという形になってしまいました。
色々な意味を含みますが見た目で判断してはいけませんね。
今回は値段が値段でしたからはずれを引いてしまった、という形でしょうか・・・
あとは安全性の問題かと思いますが、一応用心してスペックの半分ほどでの運用で使用してみたいと思います。
ごく当たり前の話になりますが、やっすい中華スイッチング電源はヤバいという経験になりましたorz
中華電源を仕入れたんだが同じ型番で見た目も中身も違うの草。ググったら類似品みたいのが沢山あったが。これは性能が出ればまぁ許容するとして、2枚目ADJが固定抵抗w自分で抵抗を交換して調整?w
— yoshi (@yoshi96648555) 2022年2月6日
3枚目、素子の熱対策が無い。ケースから浮いてて発熱は大丈夫なのか?今度電子負荷で動作確認しよ。 pic.twitter.com/rmA10WWqTm
また、話は少し変わりますが、RD6012Pを購入した際の電源で負荷抵抗を付けるとノイズが減るよ、という記載がありました。
「電源投入時に高周波ノイズが発生する場合がありますが、図のように負荷抵抗を追加することで改善されます」
ぐぐっても理屈がわかりません・・・この意味が分かる方がいらっしゃいましたらご教授いただけると非常にうれしいです・・・
今度はRD6012Pの簡単なレビューができればなぁと思っているところです。
2022/3/12:追記
電解コンデンサを取り換えることで改善が見られました。
energy-note.hatenablog.com
迷惑メールを集計してみるか②
前回の記事がこちらです。
energy-note.hatenablog.com
集計開始から1年が経過しました・・・
相変わらず迷惑メールは止まる気配はなく、むしろ若干増えている?感じです。
www.dekyo.or.jp
届く迷惑メールはすべてこっちに情報提供しているのですが、変わる感じはないですね・・・途中から何のために情報提供しているのか疑問にすら思ってしまうくらい・・・
多分、同じ業者からのメールが多いっぽいのですが、これ約1年くらい続いていますよ・・・情報提供、意味あります?
URLは踏まずにドメイン検索してみると多分海外のサーバーっぽいんですが、それが引っかかっているのでしょうか。何にしてもうざすぎる。約1年もこの業者は何食わぬ顔で(たぶん)運営しているわけで。
情報を残しておくためと、何かあったときのために一応メールはすべて保存してあります。
別のことに時間を使いたいのですが途中で終わるのも嫌だし、ここまでまとめてしまったし、業者に一方的にやられ続けるのも癪だし、人様のリソースも奪い悪でしかないのは滅びてくれ!!(個人の問題)
集計結果は2020年11月11日から2021年11月12日です。366日分の受信件数が丁度1500件で1日あたり約4.1通受信していてとてもうざいことがわかります。(もっと受信している方4通程度で騒いですみません)
まずは曜日ごとのデータですね。前回のまとめよりだいぶならされた感じはありますが、月曜日と水曜日はこれまでのピークを引きずっているのが大きいと思われます。前回より日曜日の受信件数が伸びています。嬉しくありません。
時間ごとのデータもある程度ピークを引き継いでいますが、深夜の件数が伸びています。全然嬉しくありません。
23時~2時頃の受信数が少ないのも気になります。
これはamazon関連の受信件数ですが、なぜかゴールデンウィークあたりから急激に下がりだしました。なぜでしょうか。全くうr・・・これは嬉しいw
多分だけどもその業者は処分されたのか、撤退したのか。処分されていたら倍に嬉しい。
次は逆によくわからん内容(日本語がおかしいわけではない)の集計結果ですが、最近増えてきています。
クリックを狙っているのか、「今だと割引します!」だの、「テレビ番組が安くで見れます!」だの、中身がよくわからんのですよ。
次は曜日ごとの受信数です。
基本的に深夜の受信数が多いですが、水曜日は昼にピークがありますね。ノー残業デーを狙っているのでしょうか?w
金曜日も深夜が少ないです。日曜日の19時前後は家族団らん中で迷惑メールも見ないだろう、という魂胆・・・?
曜日ごとの時間変化については何かしら意図がありそうで。もし何もなくただ送ってたらそれはそれで笑われるだけなので、それもそれでウザいなぁw
一応遊びで、ネット上の機械学習のサンプルからLSTMで受信件数を学習させてみたりして遊んでみましたが、データ数が少なすぎるのか全然今後の予測ができませんでした。
これに関しては今後さらにデータが集まって、機械学習の勉強ができた際にはいいおもちゃになるでしょう!こうやって利活用していかないとやってられません。
最後にエロ系です。絶対数は少ないけど何か5時、23時付近に集中してるw
なんだかこれを機に統計について勉強したくなってきた。機械学習も少しいじったし、こういう意欲が湧いてくるのはせめてもの救い。
しかしグラフの考察が難しい!何かいい感じの処理を施したら面白いデータでも取れるのだろうか?
データ、グラフの無断使用はやめてください。
注意※暇ではありません。